中坪造園有限会社
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デンドロサービス樹木管理事務局

備忘録

ワークポジショニング作業とロープ高所作業

樹上作業におけるワークポジショニング作業とロープ高所作業について、ざっとした説明は、

ワークポジショニング作業は、「ロープ等の張力によりU字吊り状態などで作業者の身体を保持して行う作業」

ロープ高所作業は、「昇降器具により身体を保持しつつ行う作業」

となっています。また、U字吊り(ワークポジショニング)は墜落制止用器具から除かれていること、墜落制止用器具は、作業時に義務付けられ、昇降は基本的に異なる概念であることから、(「法令42条の規定の対象機械等」「墜落制止用器具の安全な使用に関するガイドライン」)

樹上作業において、アーボリストサドルが使用できる場面と、フルハーネスを使用する必要がある場面を個人的な解釈により分けてみた。U字吊りにしている時にはアーボリストサドルが使用可能。ロープで昇降している時にはアーボリストサドルが使用可能。U字吊りにしないでロープにぶら下がって作業している時(樹木調査など)の場合はフルハーネスを使用する必要がある。この場合はライフラインも必要。もちろんアーボリストサドルもフルハーネスもISOの規格に準じている必要がある。

この解釈はあっているのだろうか。楽するための法解釈ではなく、より安全作業のためであることに気を付けたい。

2019/01/21

安全帯が墜落制止用器具に

平成31年2月1日からフルハーネス(フルボディーハーネス)を使用しないといけないらしい。と噂になっています。フルハーネスにも墜落時にのみ機能(使用)するタイプもあれば、身体保持機能によりぶら下がって作業する際に使用できるタイプもあります。また、フルハーネスは「フォールアレスト用保護具」との事ですが樹上作業で使用するには危険が伴うと思います。それは樹上作業では垂直面若しくは平面の作業というより、垂直面から枝に乗り出した3次元的な作業であることに起因します。1つ目に、墜落時に振り子状態になり木の枝や幹に激突するおそれがあること。2つ目に、墜落が垂直に起こらない時にディッセンダーやバックアップデバイスが機能しない恐れがあること。3つ目にランヤードを取り付ける枝や幹に墜落時衝撃荷重が掛った際、樹種、時期、太さ、向きなど多くの要因から強度の判断ができないこと。です。

実際イギリスでは、上に挙げた1つ目と2つ目の条件下ではフォールアレストシステムを使用してはならないとされています。胴ベルト型からフルハーネスに移行していることは作業者にとっては大変いいことと思います。しかし、何でもフルハーネスではなく、自分の作業の安全のために、どの状況下ではフルハーネスが有効であるか知ることが大事ではないかと思います。加えて、サスペンショントラウマについても知っておく必要がありそうです。

2019/01/07

土壌改良

自社で作成したたい肥を使って土壌改良を行っています。現在5年計画で行っているサクラが2本あります。時期は春先に行いたいのですが、事情によりできないため夏季を避けて行っています。一度に広範囲を土壌改良するとかえってい樹勢が低下してしまうため、樹木の周囲を10に区分けして、2箇所/年に土壌改良しています。掘削深さは20㎝程度、掘削時は根の発根状況(分布など)を確認しながら傷つけないように掘削します。掘削する際掘り出した土は振るいによって石を取除いています。根系の状況を記録し、たいていの場合15㎜程度までの根は切り取ります。そして土壌改良材としてたい肥に消炭を混入したものを使用しています。消炭はアルカリ性が強いので念のため48時間流水に浸したものを使用しています。土壌改良の効果は翌々年くらいにしか出ないようです。最初の土壌改良時には土壌改良しない箇所に施肥したり、花芽を多く持っている時には土壌改良作業時、掘削後に固型肥料を並べてから埋め戻したりしています。運がいいことに土壌改良しているサクラは樹勢が良くなったと評価を得ていますが、どうしてそうなったかは分からず、今までの失敗と成功から学ぶしかありません。ちなみに土壌改良だけで樹勢回復したわけではないと思います。杉の大木の下にあるサクラで、スギの下枝が影となっていましたので初年度に下枝を取除きました。日照量が増えたのも樹勢回復した要因であると思います。その他にも、サクラの周囲の雑草の管理に除草剤が使われていましたがそれを止めて頂きましたし、落葉清掃と根元に落葉を集積することも止めて頂きました。こうなるとますますなぜ樹勢回復の要因が分からないですね。

2018/12/31

枝葉の有効利用(燃料、林床保護)

樹木管理で出た枝葉や幹の有効利用として、たい肥作りのほかに冬場の薪ストーブの燃料として、また、林床に敷き均して林床の保護材として使用しています。林床へ敷く利用について書き止めます。

飛騨では、庭作りや、石積のための自然石を山へ行って採取します。その山の事を石山、採取することを石だしと呼びます。石だしが終わった山は植林をして終わるのですが、その林床は石出しによって荒れています。そこに枝葉を敷き均します。それによって、土砂の流出が減りますし、土壌も肥えます。ササの侵入も遅れますので良いことずくめです。但し枝葉がたい肥になる頃にミミズが増えてイノシシの餌場となり荒らされます。イノシシが枝葉を撹拌してさらにたい肥化が促進されます。

どこかの林業試験場が林床に枝葉を敷き均した実験の検証をされていましたが、大変良いのは確かなようです。しかし、なぜ皆がやらないかは分かります。林床に敷き均すのが大変なんです。処分料を払うか敷き均すか、どちらもお金がかかります。山に戻してあげるのがいいのは分かりますが、なかなか大変です。

2018/12/24

枝葉の有効利用(たい肥)その2

枝葉によって作った、たい肥は樹勢回復のための土壌改良材と使用しています。樹種によりますが、たい肥には消炭を入れて使用します。消炭の調達は、庭木の剪定や伐採などで出た枝や幹を薪ストーブで燃やし、その際出た灰を振るいにかけて消炭を取り出しています。サクラやクロマツにはたい肥に消炭を混ぜて使っています。アカマツに使用すると葉が黄色に変色し、土壌改良した箇所からテングダケ(キノコ)が大量に生えてきて驚きましたが、翌年には回復しました。アカマツは囲炉裏を探すので炭が好きなのかと思いましたが、なんでだろう?注意が必要なことは分りました。

2018/12/17

クライミングの前に(樹形:双状幹 その2)

双状になった、折れた幹から新芽が立ち上がって何本も芯がある木の事です。何本か立上った幹のうち、木の中心に近いものが一番大きくなっている気がします。また、その一番大きな幹が最初に枯れ始めることが多いように感じます。そんな木の伐採の依頼があった場合、つまり、双状になった幹の内1本でも枯れている木の伐採の仕事をすることになったときに注意していることは、分岐した箇所の状態をよく確認することです。多くの場合は幹に腐朽が診られます。浮皮になっていて確認しずらい場合がほとんどなのでよく確認します。幹の分岐箇所はほとんど癒合していないのに加え、腐朽しているなんて!

木の見た目はホウノキのようですので、仕事しにくいけどできるな~。と思ってしまいます。もちろん最初に考えるべきことは登らずに作業する方法です。伐倒できないか、高所作業車やクレーン車が使えないかなどです。どれもダメな場合は足場を作ることです。とにかく登ってはいけません。それでも仕方ない場合は残った幹に横物の棒を付けて階段状にして作業することができますが、今まで足場を組めない現場はありませんでした。ただし車も入らないので足場の設置より搬入・搬出代が掛かります。見積もりを間違えて足場の設置代が無くて赤字になっても、いい勉強だと言い聞かせています。どうにかなると思って見積すると時々バチが当り、反省することになっています。

2018/12/10

クライミングの前に(樹形:双状幹 その1)

飛騨高山の雪は湿気が少なくさらさらで、軽い雪が降ります。雪の量もそれほど多くありません。しかし平成26年(2014年)の12月に重い雪が降りました。その時、多くの木が被害を受けました。そのため翌年、断幹した木の数量は219本になりました。(お陰で開始から3週目で7㎏体重が減り健康体となりました。)その際色々な種類の被害木がありましたが、幹折れした木の多くが、過去の樹冠頂部の幹折れ箇所から数本分岐した幹でした。大径木では昭和56年の大雪で折れた後分岐した幹であることが推察されました。

本来、入皮で2本立ちのように双状になった木の伐採(断幹)の時には、その2本をラッシングベルトなどで断幹中に幹割れしないように締付けて作業します。しかし、片方が落下して欠損している場合の断幹は締付けることができないため大変危険です。まず検討するのは「伐倒できないか」です。次に「高所作業車やクレーン等が使用できないか」、「幹折れしないようにケーブリングできないか」、などです。どうしても昇らなくてはいけない時は、断幹方向幹割れする方向にリギングはしてはいけません。加えて幹に力が掛らないように地上に幹を激突させ、飛び跳ねを防止するセッティングを検討したり、周囲に木があればトランスバースを検討するなどが必要です。繰り返しになりますが、まずは登らない方法を考えることが必要です。登りたくなるのは高い所が好きなのだろうか?馬鹿なのか?ついつい登ろうとしちゃいます。

追加:ケーブリングした木を断幹する際は、ケーブリングした上に枝や幹が接触したり、枝の場合はケーブリングの上に乗らないように注意しないといけません。枝を外しに行くのは危険で大変ですし時間も掛ります。ケーブリングしている上に幹が落ちてその衝撃で幹折れしたら、幹と一緒に地面に真っ逆さまです。加えてケーブリングが必要な弱い木の場合、ケーブリングを引っ張りすぎると断幹の衝撃で反対側に折れますな。

2018/12/03

断幹:その1

断幹の質問をされました。自分では意識していませんでしたので、書き留めることにします。質問の内容はスギの断幹の写真を見ていて、「断幹は下枝を打ってトップカットして断幹してゆくのか?」というものでした。「あ~、そうですね。」と言いつつ、前回、前々回の断幹はトップを先に落としてから、枝を撤去して断幹をしたな~。と思い出しながら、「普通はそうしますけど状況によります。」と答え、前々回トップを落としてから断幹したことを話しました。そうした理由は、事前確認の時に伐採する木の隣に住む方とお話した際に、昨年は良くこの木の周りにミツバチが飛んでいるのを見たな~。と何気ない一言がきっかけでした。それ以前に2回木を見に来ていましたが、木に穴などは見つけることはできませんでした。しかし、ミツバチがいるということは空洞がある可能性があることがここで分かりました。ちなみに木は樹高46m、直径1mの木2本でした。そこで、先にトップを落とすことにしたわけです。方法は周囲の木を利用したトランバースとなるように設置して牽引しながら下枝の上に載せながら吊り降ろしました。ちなみに、案の定空洞でした。

その他の理由でトップを先に降ろす状況は、トップが枯れている場合や、風を考慮した場合です。「風を考慮」の理由をもう少し詳しく書くと、通常、断幹のトップカットは中坪造園では午前中に行っています。理由は午後から風が出ることが多いためです。特に川の近くなどは事前に木を確認した際には必ず風も確認します。今更ですが、木は枝で風の影響を打ち消すように動くことでバランスを取っています。極度に枝打ちした木が幹折れするのを見ればよく分かります。風だけで幹折れするリスクがあるのに加え、100㎏の人間がそこにいてトップカットする。ロワリングデバイスやタグラインの操作が未熟であれば危険はますます急上昇です。長くなりました。トップカットについてはまた別に書き留めることにします。

2018/11/26

庭師と山師の仕事境

庭師も山師も木の管理をすることも仕事の一つである。庭師と山師の仕事の境は、神社、仏閣の杜の内と外となる。実際は、庭師も庭石を山から出す準備として冬には山の木を伐りソリで木を出すが、それを生業としてはいない。

海外では、アーボリストとフォレスターなのかな?アーバンフォレストはアーボリストの仕事でよいのかな。そう言えば、今年の4月にニュージーランドのウィンテックを卒業した方が訪ねてきた。せっかくなので、「アーボリストとは日本語で説明するとなんですか?」と聞いてみると、答えは「樹木医かな~。」でした。日本のイメージは伐採屋さん?あまり良くないな~。

2018/11/19

庭師と樹木医

庭師として木をみる時と樹木医として木をみている時には違いがあります。庭師の時は情景を作る一部としてみているので、樹勢をコントロールしようと考えています。通常は樹勢を低下させて葉を細かくしたいと考えることが多く庭の中での納まりを意識しています。樹木医の時は対象の木そのものを見ています。果樹園を営む方、植木(苗木)生産をされている方、森林公園を管理する方や、林業の方にもそれぞれ目的があり、それぞれが違う見方をしているようです。大変興味があることです。例えば腐朽について考える時、庭師は腐朽も情景の一部として見ます。一方果樹の方は果実の収穫量、つまり生活に係るので庭師よりも腐朽についてはシビアな問題です。実際20年ほど前に熊本のミカン農家を訪ねた際、枝の剪定痕に市販の防腐剤に墨汁を混ぜていることお聞きしたことがあります。樹木生産の方からは葉面散布に酢と焼酎を使用されるお話を伺ったりもしました。木を扱う人の目的に応じた経験からくる知識。これは本で得ることのできない貴重なお話です。そんなお話を聞いている時は幸せを感じます。

2018/11/17

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